【胃腸を整えるスパイスの力①】~クミン~

当店の薬膳カレーを構成する14種類のスパイスに秘められた「力」をご紹介していきます。

今回は、クミン【馬芹(ばきん)】です。

クミン

クミンは、セリ科クミン属の一年草植物で、原産地は、エジプトといわれています。
強い香りと苦味、辛味があり、カレー特有の香りと辛味付けによく用いられます。

ビタミンA、B2、B3、B6、C、E、 またカルシウム、鉄分、マグネシウム、リン、ポタシウム、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。
ですので、様々な体への良い効果が期待されますが、なかでも鉄分は100g中66.36 mgと、成人に必要な一日分の量の500%以上が含まれています。

また、抗酸化物質クミンアルデヒドリモネンを多く含みます。
効能としては、健胃、消化促進、腸内に溜まったガスを出す、解毒などがあります。
中でも特に腸内に溜まったガスを出す作用は強く、ガスだけではなく利尿作用もあり、体内に溜まった老廃物を一掃してくれる効能が期待されます。
不要なものが体から出て行けば、栄養の吸収もよくなり、デトックス効果も狙え、結果、体全体の免疫力が上がると言われています。

ちなみに、漢方ではクミンは胃の薬として使われています。

食用のスパイスとして有名なクミンですが、その強い香りゆえアロマオイル、エッセンシャルオイルとしても使われています。古くはインドのアーユルヴェータに精油として使われ、その効能としては、気持ちを活性化させ、リラックス効果があるとされています。

余談ですが、クミンは旧約聖書、新約聖書にも登場するスパイスで、ヨーロッパでは古代から薬用植物として利用されていたと言われています。古代ギリシャでは、食欲のシンボル、中世ヨーロッ パでは恋人の心変わりを防ぐものとして、戦地に行く騎士にもたせたり、結婚式当日の花嫁・花婿のポケットにしのばせておく習慣があったと言われているそうです。面白いですね。

あまり気にしたことのないスパイスの効能は、思った以上に凄いのです。
スパイスで胃腸を整えて、体の調子を整えましょう!!